公文書非公開決定処分取消等請求事件

(平成22年2月25日最高裁)

事件番号  平成21(行ヒ)25

 

この裁判は、

市立学校の教職員の評価・育成制度の下で教職員が作成した自己申告票中の

設定目標,達成状況等に係る各欄に記載された情報及び校長が

作成した評価・育成シート中の当該教職員の評価,育成方針等に係る各

欄に記載された情報が,茨木市情報公開条例

(平成15年茨木市条例第35号)7条6号柱書き及び

同号エ所定の非公開情報に当たるとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

前記事実関係等によれば,本件システムは,

教職員による主体的な目標設定と達成状況等の点検及び

これを踏まえた教職員に対する評価,指導等を通じて,

教職員の意欲・資質能力の向上,教育活動等の充実及び

組織の活性化を図ることを目的とするものであり,

本件各文書は,このような本件システムを運用する過程で

教職員及び校長により作成され,その写しが勤務成績評定権者である

市教委に送付されて,人事管理及び

人事評価の資料として用いられるものである。

 

そうすると,本件システムの上記のような目的が達成されるためには,

教職員は,その目標や達成状況等を,他の教職員,生徒及び

保護者に関する事情等も含めて,自己申告票に率直かつ

具体的に記載し,校長は,当該教職員に係る所見,課題及び

育成方針等を評価・育成シートに率直かつ

具体的に記載することがそれぞれ期待されていると考えられる。

 

ところが,このような本件各文書の性質等からして,

本件各公開請求部分には,作成者である教職員若しくは

校長又は記載されている関係者が特定できるような記載がされたり,

教職員や評価者が外部に公開されることを望まないような記載が

されることがあり得ると考えられる

(記録によれば,実際にもそのような記載が

されている例があることがうかがわれる。)。

 

したがって,本件各公開請求部分が公開されることになった場合,

作成者や記載内容中の関係者が特定されて問題が生じるのをおそれたり,

自らが記載した具体的内容が広く第三者に

公開される可能性があるのを嫌ったりして,

教職員や校長が当たり障りのない記載しかしなくなる結果,

本件各文書の記載内容が形骸化するおそれがあるというべきである。

 

このことは,本件公開請求部分3についても,

何ら変わるところがないものと考えられる。

 

そうすると,本件各公開請求部分に係る情報は,

これを公開した場合に,学校の組織活性化等を目的とした

本件システムに係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあり,

ひいては公正かつ円滑な人事の確保に

支障を及ぼすおそれがあるものであり,

本件条例7条6号柱書き及び同号エの定める

非公開情報に当たるというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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