公有水面埋立法

(平成17年12月16日最高裁)

事件番号  平成15(受)1980

 

この裁判では、

公有水面埋立法に基づく埋立免許を受けて埋立工事が完成した後

竣功認可がされていない埋立地が土地として

私法上所有権の客体になる場合について裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

海は,特定人による独占的排他的支配の許されないものであり,

現行法上,海水に覆われたままの状態で

その一定範囲を区画してこれを私人の所有に帰属させるという制度は

採用されていないから,海水に覆われたままの状態においては,

私法上所有権の客体となる土地に当たらない

(最高裁昭和55年(行ツ)第147号同61年12月16日

第三小法廷判決・民集40巻7号1236頁参照)。

 

また,海面を埋め立てるために土砂が投入されて埋立地が造成されても,

原則として,埋立権者が竣功認可を受けて

当該埋立地の所有権を取得するまでは,その土砂は,

海面下の地盤に付合するものではなく,

公有水面埋立法35条1項に定める

原状回復義務の対象となり得るものである

(最高裁昭和54年(オ)第736号同57年6月17日

第一小法廷判決・民集36巻5号824頁参照)。

 

これらのことからすれば,海面の埋立工事が完成して

陸地が形成されても,同項に定める原状回復義務の対象となり得る限りは,

海面下の地盤の上に独立した動産たる土砂が置かれているにすぎないから,

この時点ではいまだ当該埋立地は

私法上所有権の客体となる土地に当たらないというべきである。

 

(2) 公有水面埋立法35条1項に定める上記原状回復義務は,

海の公共性を回復するために埋立てをした者に課せられた義務である。

 

そうすると,長年にわたり当該埋立地が事実上

公の目的に使用されることもなく放置され,

公共用財産としての形態,機能を完全に喪失し,

その上に他人の平穏かつ公然の占有が継続したが,

そのため実際上公の目的が害されるようなこともなく,

これを公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合には,

もはや同項に定める原状回復義務の対象とならないと解すべきである。

 

したがって,竣功未認可埋立地であっても,上記の場合には,

当該埋立地は,もはや公有水面に復元されることなく

私法上所有権の客体となる土地として存続することが確定し,

同時に,黙示的に公用が廃止されたものとして,

取得時効の対象となるというべきである

(最高裁昭和51年(オ)第46号,

同年12月24日第二小法廷判決・

民集30巻11号1104頁参照)。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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