公職選挙法14条,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性

(平成24年10月17日最高裁)

事件番号  平成23(行ツ)64

 

この裁判では、

公職選挙法14条,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の

議員定数配分規定の合憲性について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

本件選挙が平成18年改正による4増4減の措置後に実施された

2回目の通常選挙であることを勘案しても,

本件選挙当時,前記の較差が示す選挙区間における投票価値の不均衡は,

投票価値の平等の重要性に照らしてもはや看過し得ない程度に達しており,

これを正当化すべき特別の理由も見いだせない以上,

違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていたというほかはない。

 

もっとも,当裁判所が平成21年大法廷判決において

こうした参議院議員の選挙制度の構造的問題及び

その仕組み自体の見直しの必要性を指摘したのは

本件選挙の約9か月前のことであり,

その判示の中でも言及されているように,

選挙制度の仕組み自体の見直しについては,

参議院の在り方をも踏まえた高度に政治的な判断が求められるなど,

事柄の性質上課題も多いためその検討に

相応の時間を要することは認めざるを得ないこと,

参議院において,同判決の趣旨を踏まえ,

参議院改革協議会の下に設置された専門委員会における協議がされるなど,

選挙制度の仕組み自体の見直しを含む

制度改革に向けての検討が行われていたこと

(なお,本件選挙後に国会に提出された

前記2(6)の公職選挙法の一部を改正する法律案は,

単に4選挙区で定数を4増4減するものにとどまるが,

その附則には選挙制度の抜本的な見直しについて

引き続き検討を行う旨の規定が置かれている。)などを考慮すると,

本件選挙までの間に本件定数配分規定を改正しなかったことが

国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず,

本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできない

 

憲法の解釈として両議院とも国会議員の選挙制度の仕組みの決定において

国会に裁量権があると解されることは,

最高裁昭和49年(行ツ)第75号同51年4月14日大法廷判決・

民集30巻3号223頁以降の累次の大法廷判決の趣旨とするところであって,

前示のとおり本件選挙当時の選挙区間における投票価値の不均衡を

本件選挙までに是正する措置を講じなかったことが

上記の選挙制度に係る憲法秩序の下における

国会の裁量権の限界を超えるものとはいえないと解される以上,

本件定数配分規定は所論の観点からみても

憲法に違反するに至っていたということはできない

 

被上告人は,両議院の法律案等の議決における議員の表決権の価値が

完全に均等であり,憲法改正の国民投票等(憲法96条,79条2項)における

投票権の価値も同様であることなども指摘するが,

当該指摘に係る各局面と,全国民の代表として

国政に係る多様な事項の決定に継続的に関わる

国会議員の構成に多角的に民意が反映されるように

選挙制度の仕組みを定める局面とは,事柄の性質が異なり,

これらを同列に論ずることはできないというべきであり,

当該指摘も上記判断を左右するものではない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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