公職選挙法138条2項,142条(昭和57年法律第81号による改正前のもの)の合憲性

(平成7年7月7日最高裁)

事件番号  平成5(あ)59

 

最高裁判所の見解

公職選挙法一三八条二項の規定及びその適用の違憲をいう点は、

選挙運動のため戸別に演説会の開催又は

演説の実施を告知する行為が、単に選挙人に対して

右の事実を知らせるというだけの域にとどまらず、

これを超えて更に演説会への参加の呼び掛け又はしょうようを伴い、

その他何らかの形で選挙人に特定の候補者を強く

印象づけてその候補者の投票獲得に有利な効果を

生ぜしめようとするものと認められる方法・態様で行われた場合には、

右のような告知行為に適用される限りにおいて、

公職選挙法一三八条二項の規定が憲法二一条一項、

一五条一項、三一条に違反しないことは、

当裁判所の判例(最高裁昭和四三年(あ)第二二六五号同四四年四月二三日大法廷判決・

刑集二三巻四号二三五頁)の趣旨に徴して明らかであり、

そして、原判決の是認する第一審判決の認定によると、

被告人らの本件告知行為は

右のような方法・態様で行われたというのであり、

これに右規定を適用しても憲法の右各条項に違反しないことは、

前記のところがら明らかというべきであるから、

所論は理由がない(最高裁昭和五七年(あ)

第六四三号同五八年一一月一〇日第一小法廷判決・

刑集三七巻九号一三六八頁参照)。公職選挙法一三八条二項、一項の規定の

意義が不明確であって憲法三一条に違反するという点は、

公職選挙法一三八条二項の規定を右のように

解釈適用してもこれによりその内容が不明確になるとはいえず、また、

同条一項の規定が所論のいうように不明確であるということはできないから、

所論違憲の主張はその前提を欠く。

公職選挙法一四二条(昭和五七年法律第八一号による改正前のもの。

以下同じ。)の規定及び

その適用の違憲をいう点は、右規定が憲法二一条一項、

一五条一項、三一条に違反しないこと及び右規定を本件に適用しても

憲法の右各条項に違反しないことは、

当裁判所の判例(最高裁昭和二八年(あ)第三一四七号

同三〇年四月六日大法廷判決・

刑集九巻四号八一九頁、最高裁昭和三七年(あ)第八九九号

同三九年一一月一八日大法廷判決・刑集一八巻九号五六一頁、

最高裁昭和四三年(あ)第二二六五号同四四年四月二三日大法廷判決・

刑集二三巻四号二三五頁)の趣旨に徴して明らかであるから、

所論は理由がない(最高裁昭和五五年(あ)第一五七七号

同五七年三月二三日第三小法廷判決・刑集三六巻三号三三九頁参照)。

 

その余の点は、事実誤認、単なる法令違反の主張であって、

適法な上告理由に当たらない。

 

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