公金を支出と憲法89条
( 昭和63年12月16日最高裁)
事件番号 昭和61(行ツ)60
一部事務組合が地元住民の要請により
公共施設である道路の改良工事を行い
その工事代金の支払のため公金を支出した場合において、
右道路が宗教法人たる神社の境内入口まで通じていて
参詣のための通路としても利用されているところから、
右神社が右工事による利益を受けることとなるとしても、
これをもつて、右公金の支出が、右神社に対し
特別に財政的援助を与えるものとして
憲法八九条に違反するということはできない。
このことは、最高裁昭和四六年(行ツ)第六九号同五二年七月一三日大法廷判決
(民集三一巻四号五三三頁)の趣旨に徴して明らかというべきである。
右と同趣旨の見解に立ち、原審の適法に確定した事実関係の下において、
本件神社の境内入口まで通じている道路甲の改良工事のため
支出された本件公金支出が憲法八九条、
地方自治法一三八条の二に違反するものではないとした
原審の判断は、正当として是認することができる。
スポンサードリンク