公金不当利得返還等請求事件

(平成22年2月23日最高裁)

事件番号  平成21(行ヒ)234

 

この裁判は、

市議会の会派に交付する政務調査費の使途を

「会派が行う」調査研究活動と定める

函館市議会政務調査費の交付に関する条例施行規則

(平成13年函館市規則第4号)の下で,

会派の代表者の承認を得て政務調査費が会派から

所属議員に支出された場合において,

当該支出が上記の「会派が行う」との

要件を満たすとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

本件使途基準にいう「会派が行う」調査研究活動には,

会派がその名において自ら行うもののほか,

会派の所属議員等にこれをゆだね,

又は所属議員による調査研究活動を会派のためのものとして

承認する方法によって行うものも含まれると解すべきである。

 

そして,一般に,会派は,議会の内部において議員により

組織される団体であり,その内部的な意思決定手続等に関する

特別の取決めがされていない限り,

会派の代表者が会派の名においてした行為は,

会派自らがした行為と評価されるものである

(最高裁平成19年(行ヒ)第170号同21年7月7日

第三小法廷判決・裁判集民事231号183頁参照)。

 

前記事実関係によれば,市民自由クラブにおいては,

前記2(3)の手続により代表者である会長の承認を得て

各議員に政務調査費が支出されることになっており,

その承認に係る内部的な意思決定手続等に関して

特別の取決めがされていたような事情はうかがわれない。

 

そうすると,市民自由クラブの会長が本件各支出についてした承認は,

市民自由クラブにおいて内部的に決定された

正規の政務調査費支出の手続に則して,

会派の名において行われたものということができる。

 

そうである以上,その承認は,

会派自らがした承認と評価されるものであり,

また,特段の事情のない限り,その所属議員の発案,

申請に係る調査研究活動を会派のためのものとして

当該議員にゆだね,又は会派のための活動として

承認する趣旨のものと認めるのが相当である。

 

本件各支出について,上記特段の事情はうかがわれず,

かえって,記録によれば,本件各支出の対象となった

調査研究活動に関しては,簡略ながらも調査の結果等が会派に対して

報告されていることがうかがわれる。

 

したがって,本件各支出は,本件使途基準にいう

「会派が行う」との要件を満たすものということができる。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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