出版差止等請求事件

(平成13年10月25日最高裁)

事件番号  平成12(受)798

 

最高裁判所の見解

原審の適法に確定したところによれば,本件連載漫画は,

被上告人が各回ごとの具体的なストーリーを創作し,

これを400字詰め原稿用紙30枚から50枚程度の小説形式の原稿にし,

上告人において,漫画化に当たって使用できないと思われる部分を除き,

おおむねその原稿に依拠して漫画を作成するという

手順を繰り返すことにより制作されたというのである。

 

この事実関係によれば,本件連載漫画は

被上告人作成の原稿を原著作物とする二次的著作物であるということができるから,

被上告人は,本件連載漫画について原著作者の権利を有するものというべきである。

 

そして,二次的著作物である本件連載漫画の利用に関し,

原著作物の著作者である被上告人は本件連載漫画の

著作者である上告人が有するものと同一の種類の権利を専有し,

上告人の権利と被上告人の権利とが併存することになるのであるから,

上告人の権利は上告人と被上告人の合意に

よらなければ行使することができないと解される。

 

したがって,被上告人は,上告人が本件連載漫画の主人公Dを描いた

本件原画を合意によることなく作成し,複製し,

又は配布することの差止めを求めることができるというべきである。

 

以上によれば,被上告人が本件連載漫画の一部である

本件コマ絵及び本件連載漫画の主人公Dの絵の複製である

本件表紙絵につき原著作者の権利を有することの確認と,

本件原画を作成し,複製し,又は配布することの差止めを求める被上告人の

請求を認容すべきものとした原審の判断は,正当として是認することができる。

 

上記判断は,所論引用の判例に抵触するものではない。

原判決に所論の違法はなく,論旨は採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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