出資法5条1項

(平成17年8月1日最高裁)

事件番号  平成16(あ)2723

出資法5条1項に違反する行為が反復累行された場合には,

特段の事情のない限り,個々の契約又は受領ごとに一罪が成立し,

併合罪として処断すべきところ

(最高裁昭和52年(あ)第1271号同53年7月7日

第三小法廷判決・刑集32巻5号1011頁),

同条2項は,金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合の

制限利率を同条1項の場合よりも低く定めたものにすぎないことが,

各規定の文言や法定刑の対比によって明らかであり,

同条2項に違反する行為が反復累行された場合も,

特段の事情のない限り,個々の契約又は受領ごとに

一罪が成立し,併合罪として処断すべきものと解される。

 

また,貸金業法47条2号,11条1項は同法3条1項の

登録を受けない者が「貸金業」を営むこと(以下「無登録貸金業」という。)を

処罰するものであるところ,ここにいう「貸金業」とは,

金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介で業として,

すなわち反復継続の意思の下に行うものをいい(同法2条1項),

無登録貸金業の行為と,業として金銭の貸付けを行う中で

個別的に出資法5条2項に定める利率を超える利息を

受領する行為(以下「制限超過利息の受領行為」という。)とは,

社会的見解上1個のものと評価することができず,

犯罪の通常の形態として,一方が他方の手段又は結果であるともいえないから,

刑法54条1項の観念的競合又は牽連犯とはならず,

併合罪として処断すべきものと解するのが相当である。

 

次に,所論は,架空人名義の銀行預金口座に振り込ませる方法で

制限超過利息の受領行為をするとともに,

犯罪収益等の取得につき事実を仮装した本件においては,

制限超過利息の受領行為と,組織的な犯罪の処罰及び

犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という。)10条1項に

違反する行為とは,刑法54条1項前段の観念的競合となるという。

 

しかし,【要旨3】無登録貸金業の営業による貸付けの元金及び

利息並びに出資法5条2項違反の利息の取得につき

継続的に事実を仮装する意図で,架空人名義の銀行預金口座を入手し,

同口座に上記元金及び利息を振り込ませることにより,

上記架空人が犯罪収益等を取得したものであるように

仮装したという本件の事実関係の下においては,

組織的犯罪処罰法10条1項に違反する上記行為と,

個別的な制限超過利息の受領行為とは,

社会的見解上1個のものと評価することができず,

併合罪として処断すべきものと解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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