刑法35条,刑法226条1項

(平成15年3月18日最高裁)

事件番号  平成14(あ)805

 

最高裁判所の見解

原判決が是認する第1審判決の認定によると,

オランダ国籍で日本人の妻と婚姻していた被告人が,

平成12年9月25日午前3時15分ころ,

別居中の妻が監護養育していた2人の間の長女(当時2歳4か月)を,

オランダに連れ去る目的で,長女が妻に付き添われて入院していた

山梨県南巨摩郡a町内の病院のベッド上から,

両足を引っ張って逆さにつり上げ,脇に抱えて連れ去り,

あらかじめ止めておいた自動車に乗せて発進させたというのである。

 

以上の事実関係によれば,被告人は,

共同親権者の1人である別居中の

妻のもとで平穏に暮らしていた長女を,外国に連れ去る目的で,

入院中の病院から有形力を用いて連れ出し,

保護されている環境から引き離して

自分の事実的支配下に置いたのであるから,

被告人の行為が国外移送略取罪に当たることは明らかである。

 

そして,その態様も悪質であって,被告人が親権者の1人であり,

長女を自分の母国に連れ帰ろうとしたものであることを考慮しても,

違法性が阻却されるような例外的な場合に当たらないから,

国外移送略取罪の成立を認めた原判断は,正当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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