刑訴法212条2項にいう「罪を行い終ってから間がないと明らかに認められるとき」

( 平成8年1月29日最高裁)

事件番号  平成5(あ)518

 

最高裁判所の見解

原判決の認定によれば、被告人Aについては、本件兇器準備集合、

傷害の犯行現場から直線距離で約四キロメートル離れた派出所で

勤務していた警察官が、いわゆる内ゲバ事件が発生し犯人が逃走中であるなど、

本件に関する無線情報を受けて逃走犯人を警戒中、

本件犯行終了後約一時間を経過したころ、

被告人Aが通り掛かるのを見付け、その挙動や、

小雨の中で傘もささずに着衣をぬらし靴も泥で汚れている様子を見て、

職務質問のため停止するよう求めたところ、

同被告人が逃げ出したので、約三〇〇メートル追跡して追い付き、

その際、同被告人が腕に籠手を

装着しているのを認めたなどの事情があったため、

同被告人を本件犯行の準現行犯人として逮捕したというのである。

 

また、被告人B、同Cについては、本件の発生等に関する

無線情報を受けて逃走犯人を検索中の警察官らが、

本件犯行終了後約一時間四〇分を経過したころ、

犯行現場から直線距離で約四キロメートル離れた路上で着衣等が

泥で汚れた右両被告人を発見し、

職務質問のため停止するよう求めたところ、

同被告人らが小走りに逃げ出したので、

数十メートル追跡して追い付き、その際、

同被告人らの髪がべっとりぬれて靴は泥まみれであり、

被告人Cは顔面に新しい傷跡があって、

血の混じったつばを吐いているなどの事情があったため、

同被告人らを本件犯行の準現行犯人として

逮捕したというのである。

 

以上のような本件の事実関係の下では、

被告人三名に対する本件各逮捕は、いずれも

刑訴二一二条二項二号ないし四号に当たる者が罪を行い終わってから

間がないと明らかに認められるときにされたものということができるから、

本件各逮捕を適法と認めた原判断は、是認することができる。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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