刑訴法39条,国家賠償法1条1項

(平成17年4月19日最高裁)

事件番号  平成12(受)243

 

最高裁判所の見解

(1) 被疑者が,検察官による取調べのため,

その勾留場所から検察庁に押送され,その庁舎内に滞在している間に

弁護人等から接見の申出があった場合には,検察官が現に

被疑者を取調べ中である場合や,間近い時に

上記取調べ等をする確実な予定があって,

弁護人等の申出に沿った接見を認めたのでは,

上記取調べ等が予定どおり開始できなくなるおそれがある場合など,

捜査に顕著な支障が生ずる場合には,

検察官が上記の申出に直ちに応じなかったとしても,

これを違法ということはできない

(最高裁平成5年(オ)第1189号同11年3月24日大法廷判決・

民集53巻3号514頁参照)。

 

しかしながら,検察庁の庁舎内に被疑者が滞在している場合であっても,

弁護人等から接見の申出があった時点で,

検察官による取調べが開始されるまでに相当の時間があるとき,

又は当日の取調べが既に終了しており,勾留場所等へ押送されるまでに

相当の時間があるときなど,これに応じても

捜査に顕著な支障が生ずるおそれがない場合には,

本来,検察官は,上記の申出に応ずべきものである。

 

もっとも,被疑者と弁護人等との接見には,

被疑者の逃亡,罪証の隠滅及び戒護上の

支障の発生の防止の観点からの制約があるから,

検察庁の庁舎内において,弁護人等と

被疑者との立会人なしの接見を認めても,

被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止することができ,

戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等が存在しない場合には,

上記の申出を拒否したとしても,これを違法ということはできない。

 

そして,上記の設備のある部屋等とは,

接見室等の接見のための専用の設備が

ある部屋に限られるものではないが,

その本来の用途,設備内容等からみて,接見の申出を受けた検察官が,

その部屋等を接見のためにも用い得ることを容易に想到することができ,

また,その部屋等を接見のために用いても,

被疑者の逃亡,罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの

問題が生じないことを容易に判断し得るような

部屋等でなければならないものというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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