前科証拠を被告人と犯人の同一性の証明に用いようとする場合

(平成25年2月20日最高裁)

事件番号  平成23(あ)1789

 

この裁判では、

前科に係る犯罪事実及び前科以外の他の犯罪事実を

被告人と犯人の同一性の間接事実とすることの許否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

前科証拠を被告人と犯人の同一性の証明に用いようとする場合は,

前科に係る犯罪事実が顕著な特徴を有し,かつ,

その特徴が証明の対象である犯罪事実と相当程度類似することから,

それ自体で両者の犯人が同一であることを

合理的に推認させるようなものであって,

初めて証拠として採用できるところ

(最高裁平成23年(あ)第670号同24年9月7日

第二小法廷判決・裁判所時報第1563号6頁参照),

このことは,前科以外の被告人の他の犯罪事実の証拠を

被告人と犯人の同一性の証明に用いようとする場合にも

同様に当てはまると解すべきである。

 

そうすると,前科に係る犯罪事実や被告人の

他の犯罪事実を被告人と犯人の同一性の間接事実とすることは,

これらの犯罪事実が顕著な特徴を有し,かつ,

その特徴が証明対象の犯罪事実と相当程度類似していない限りは,

被告人に対してこれらの犯罪事実と同種の犯罪を行う

犯罪性向があるという実証的根拠に乏しい人格評価を加え,

これをもとに犯人が被告人であるという合理性に乏しい

推論をすることに等しく,許されないというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク