労働契約上の安全配慮義務違反による損害と弁護士費用

(平成24年2月24日最高裁)

事件番号  平成23(受)1039

 

最高裁判所の見解

労働者が,就労中の事故等につき,使用者に対し,

その安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく

損害賠償を請求する場合には,不法行為に基づく

損害賠償を請求する場合と同様,

その労働者において,具体的事案に応じ,損害の発生及びその額のみならず,

使用者の安全配慮義務の内容を特定し,かつ,

義務違反に該当する事実を主張立証する責任を負うのであって

(最高裁昭和54年(オ)第903号同56年2月16日

第二小法廷判決・民集35巻1号56頁参照),

労働者が主張立証すべき事実は,不法行為に基づく

損害賠償を請求する場合とほとんど変わるところがない。

 

そうすると,使用者の安全配慮義務違反を理由とする

債務不履行に基づく損害賠償請求権は,

労働者がこれを訴訟上行使するためには弁護士に

委任しなければ十分な訴訟活動をすることが

困難な類型に属する請求権であるということができる。

 

したがって,労働者が,使用者の安全配慮義務違反を理由とする

債務不履行に基づく損害賠償を請求するため訴えを

提起することを余儀なくされ,訴訟追行を弁護士に委任した場合には,

その弁護士費用は,事案の難易,請求額,認容された額

その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り,

上記安全配慮義務違反と相当因果関係に立つ損害というべきである

(最高裁昭和41年(オ)第280号同44年2月27日

第一小法廷判決・民集23巻2号441頁参照)。

 

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