労働組合からの申立てを受けて労働委員会が発した救済命令の取消しを求める訴えの利益

(平成24年4月27日最高裁)

事件番号  平成22(行ヒ)46

 

この裁判は、

労働組合からの申立てを受けて労働委員会が発した

救済命令の取消しを求める訴えの利益が,

使用者に雇用されている当該労働組合の組合員が

いなくなるなどの発令後の事情変更によっても

失われないとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

1号命令主文第1項は丙船及び乙船を使用する場合は

上告補助参加人の組合員の乗り組んでいる

当該各船舶を使用することを,

2号命令主文第1項は上告補助参加人との間で

従前の労働協約の内容に従った労使関係を営むことを

それぞれ被上告人に義務付けるものであるところ,

被上告人は船舶の運航事業を営む会社として存続し,

上告補助参加人も多数の船員等を組合員とする

産業別労働組合として存続しており,

このような事実関係の下では,被上告人に雇用されている

上告補助参加人の組合員がいなくなり,

裸傭船契約の対象とされていない

被上告人の所有船舶がなくなるという

前記2のとおりの発令後の事情変更の後においても,

被上告人による上記各義務の履行が客観的に

不可能であるとまでいうことはできず,

その履行が救済の手段方法としての意味を

およそ有しないとまでいうことはできないから,

各命令中上記各項が当然に

その効力を失ったということはできない。

 

また,1号命令主文第2項は上告補助参加人による

団体交渉の申入れへの応諾を,2号命令主文第2項は

C及びDへの特別手当の支払を,1号命令主文第3項及び

第4項並びに2号命令主文第4項及び第5項は

上告補助参加人への文書の手交等を

それぞれ被上告人に義務付けるものであるところ,

これらの義務は,事柄の性質上,いずれも被上告人による履行が

客観的に不可能であるとはいえないものである上,

上記のような事実関係の下では,

上記発令後の事情変更の後においても,

その履行が救済の手段方法としての

意味を失ったとまでいうことはできないから,

各命令中上記各項が当然にその効力を失ったということはできない。

 

したがって,被上告人が1号命令及び主文第3項を除く

2号命令の取消しを求める訴えの利益は,

上記発令後の事情変更によっても,

失われていないと解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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