原判決中未決勾留日数算入部分が破棄された事例

(平成12年7月13日最高裁)

事件番号  平成12(あ)408

 

最高裁判所の見解

記録によれば、被告人は、第一審判決判示第一の覚せい剤及び

覚せい剤原料の使用の事実について、起訴前である

平成一〇年一〇月二〇日、勾留状の執行を受け、

その後第一、二審を通じて勾留を継続されていたものであるが、

その間、第一審は、平成一一年九月一六日、

被告人を懲役二年一〇月に処する旨の判決を言い渡し、

これに対し、被告人が同月二九日控訴を申し立てたところ、

原審は、平成一二年二月二三日、右控訴を棄却するとともに、

「当審における未決勾留日数中九〇日を原判決の刑に算入する。」

との判決を言い渡したことが明らかである。

 

また、記録によれば、被告人は、

平成一〇年一〇月一五日大阪地方裁判所において、

覚せい剤取締法違反の罪により懲役二年四月に処せられ、

同判決は同月三〇日確定し、同日から右刑の執行を開始され、

原判決の言渡し当時はいまだ右刑の執行中であったことが認められる。

 

そうすると、被告人に対する本件の原審の未決勾留の全期間が

右刑の執行と重複することが明らかであり、

原判決中原審における未決勾留日数を本刑に算入した部分は、

刑法二一条の適用について、所論引用の判例

(最高裁昭和二九年(あ)第三八九号同三二年一二月二五日大法廷判決・

刑集一一巻一四号三三七七頁、

最高裁昭和五五年(あ)第四〇九号同年七月一八日第二小法廷判決・

裁判集刑事二一八号二六三頁、

最高裁平成六年(あ)第五九二号同年一一月二五日第二小法廷判決・

裁判集刑事二六四号二六三頁)と

相反する判断をしたものといわなければならず、

論旨は理由がある。

 

なお、原判決中その余の部分に対する検察官の上告は、

上告趣意として何らの主張がなく、

したがって、その理由がないことに帰する。

 

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