反則金納付を看過してされた略式命令に対する非常上告
(平成15年4月15日最高裁)
事件番号 平成14(さ)3
最高裁判所の見解
一件記録によると,被告人は,上記と同一の事実について,
起訴に先立つ平成13年10月13日,交通反則通告書により
反則金を納付すべき旨の通告を受け,
その納付期限内に反則金を納付しなかったことから,
当時少年であったため,熊本家庭裁判所に送致され,
同裁判所裁判官が平成14年2月27日付けでした
反則金の納付指示に基づき,その定められた期限内に
反則金を納付していたが,同年3月26日,同裁判所は,
被告人が成人に達したことを理由として本件を
熊本地方検察庁に送致し,同検察庁から移送を受けた熊本区検察庁が,
同年4月25日,被告人に対し,本件について公訴を提起するとともに,
略式命令を請求したことが認められる。
以上によれば,本件については,
道路交通法130条の2第3項,
128条2項により,公訴の提起をすることが許されないのであるから,
刑訴法463条1項,338条4号により
公訴棄却の判決がされるべきであった。
これと異なる原略式命令は,法令に違反し,
かつ,被告人のため不利益である。
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