収税官吏の犯則嫌疑者に対する質問と供述拒否権告知義務の有無

(昭和63年4月28日最高裁)

事件番号  昭和60(あ)492

 

最高裁判所の見解

上告趣意のうち、憲法三八条一項違反をいう点は、

国税犯則取締法に供述拒否権告知の規定がなく、

収税官吏が犯則嫌疑者に対し同法一条の規定に基づく

質問をするに当たり、あらかじめ右の告知をしなかつたからといつて、

その質問調査手続が憲法三八条一項に

違反することになるものではなく、また、

その質問に基づく犯則嫌疑者の供述が

直ちに任意性を欠き証拠能力を失うに至るものではないことは、

当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第一〇一号同二三年七月一四日大法廷判決・

刑集二巻八号八四六頁、昭和二三年(れ)第一〇一〇号同二四年二月九日大法廷判決・

刑集三巻二号一四六頁)の趣旨に徴して明らかであるから、

所論は理由がなく(最高裁昭和五七年(あ)第六六六号同五八年三月三一日第一小法廷判決・

裁判集刑事二三〇号六九七頁、

同昭和五八年(あ)第一八〇号同五九年三月二七日第三小法廷判決・

刑集三八巻五号二〇三七頁参照)、

憲法二九条、三一条違反をいう点の実質は、

事実誤認、単なる法令違反の主張であり、

公訴時効に関して裁判所名及び言渡し年月日のみを指摘して

判例違反をいう点は、判例の具体的な摘示があるとはいえないから、

不適法であり、その余の点は、すべて事実誤認、

単なる法令違反の主張であつて、

適法な上告理由に当たらない。

 

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