司法書士法の「入会金その他の入会についての特別の負担」

(平成23年4月22日最高裁)

事件番号  平成21(受)1830

 

この裁判では、

司法書士会に新たに入会する者のみに課される負担で

その履行が入会の要件となっていないものが司法書士法

(平成14年法律第33号による改正前のもの)15条7号にいう

「入会金その他の入会についての特別の負担」に当たるかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

(1) 司法書士法15条7号,15条の2第1項が

「入会金その他の入会についての特別の負担」

に関する規定を会則に定めて法務大臣の

認可を受けなければならないとする趣旨は,

司法書士業の公共性に鑑み,司法書士会に

新たに入会する者のみに課される負担が司法書士業への

事実上の参入規制となるのを防止することにある。

 

そして,法15条7号が「入会についての特別の負担」

の例示として入会金を挙げているのは,入会金は,

これを納付することが司法書士会への入会の要件となっており,

その負担が司法書士業への事実上の参入規制となる

おそれが大きいものの典型といえるからである。

 

このことからすれば,入会金のように,

司法書士会に新たに入会する者のみに課される負担であって,

それを履行することが入会の要件となるものが,

「入会についての特別の負担」に当たることは明らかである。

 

これに対し,司法書士会に入会する者のみに課される負担であっても,

その履行が入会の要件となっておらず,

入会後にそれを履行すべき法的義務が発生するにすぎないものは,

それが司法書士業への事実上の参入規制となる

おそれがないとはいえないものの,

履行が入会の要件となる負担に比べて性質上そのおそれは

格段に小さいということができる。

 

また,会費に関する会則の規定の変更については

法務大臣の認可を受けることを要しないとされている

(法15条の2第1項ただし書,15条9号)のと同様に,

司法書士会に新たに入会した者を含む会員全員のために

必要とされる経費等を,新たに入会した者と既存の会員との間で

どのように負担するかに関しては,両者の間で

これを公平に負担するなどの観点からする司法書士会の

自主的判断に委ねるのが相当というべきである。

 

そうすると,司法書士会に新たに入会する者のみに課される負担であっても,

その履行が入会の要件となっていないものは,

その負担が新たに入会しようとする者の入会を

事実上制限するような効果を持つほど

重大なものであるなどの特段の事情のない限り,

法15条7号にいう「入会金その他の入会についての特別の負担」

には当たらないというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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