同級生誘拐殺人事件

(平成10年4月23日最高裁)

事件番号  平成3(あ)476

 

最高裁判所の見解

所論(弁護人徳永高外一名の弁論における陳述を含む。)にかんがみ

記録を調査しても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない

(本件のうち、身の代金目的拐取、殺人、拐取者身の代金要求は、

無為徒食の生活をしていた被告人が、大金欲しさから、

自宅に寄食していた遊び仲間三人と共謀の上、

小学校時代の同級生であるA(二一歳)を山中に誘い出して誘拐し、

いきなり一升瓶で頭部を殴打するなどして同人を転倒させた上、

その頭部を目掛け、こもごも重量のある

コンクリートブロック片を投げ付けて殺害し、

その父親に身の代金五〇〇〇万円を要求した事案であり、

自らの利欲のために手段を選ばず、当初から殺害するという計画の下に、

被告人を信頼し切っていたAを言葉巧みに誘い出し、

Aが被告人に「タモッチ助けてくれ。」と哀願するのを無視して

Aを殺害した上、Aが生存しているように装って

多額の現金を要求するという冷酷、非情な犯行であって、

動機に同情の余地はなく、態様ことに殺害方法が残虐であり、

結果も誠に重大である。

 

さらに、監禁、強姦は、A誘拐の際

たまたま一緒にいたAの恋人を引き離した上、

Aの身を案じる同女を欺き、あるいは脅しながら、

口封じのためいずれ殺害するつもりで、

前後一二日間にわたって連れ回し、その間、

前記共犯者のうちB及びCと共謀して強姦した事案であって、

その悪質さも看過し難い。共犯者の中には被告人より年長のDがいるが、

右一連の犯行の発案から実行に至る全過程で

被告人が主導的、中心的役割を果たしていたことは否定できず、

その犯情は、無期懲役の確定したDと比較して、

より重いものといわなければならない。

 

また、遺族らの被害感情や、社会に与えた影響にも徴すると、

被告人がいまだ若年であり、成育環境にも同情の余地があること、

一応の反省の態度を示していることなど

被告人のため酌むべき一切の事情を考慮しても、

その罪責は誠に重大というべきであって、

原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、

やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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