名古屋闇サイト殺人事件

(平成24年7月11日最高裁)

事件番号  平成23(あ)844

 

最高裁判所の見解

付言するに,本件は,被告人が,A及びBと共謀の上,

女性を拉致して金品を強取した上,殺害しようと企て,

帰宅途中の被害者(当時31歳)を自動車内に

押し込んで逮捕監禁するとともに営利目的で略取し,

同人から現金及びキャッシュカード等在中の

ハンドバッグを強取した上,同人を殺害してその死体を遺棄し

(営利略取,逮捕監禁,強盗殺人,死体遺棄),

強取したキャッシュカードを使用して銀行預金を引き出そうとしたが

未遂に終わった(窃盗未遂)という事案である。

 

被告人らは,犯罪によって現金を得ることを目的として,

インターネット上の掲示板を利用して知り合い,

本件犯行に及んだもので,強い利欲目的のみに

基づいた犯行動機に酌量の余地はない。

 

数日間にわたり様々な犯罪の実行について話し合い,金づち,

綿ロープ等の凶器を準備して敢行された計画的な犯行である。

 

犯行態様は,長時間自動車内に監禁して包丁を用いるなどして脅迫し,

命乞いをする被害者に対し,頸部に腕を回して絞め付け,

更に金づちで頭部を多数回殴打し,綿ロープを頸部に巻いて

絞め付けるなどして窒息死させたものであり,

極めて残虐かつ無慈悲というほかない。

 

被告人は,Aに次いで残虐な殺害行為の主要部分を行っている。

被害者の生命を奪った結果は重大で,

実母らの処罰感情はしゅん烈である。

本件犯行が社会に与えた不安感等の影響も大きい。

 

以上によれば,被告人の刑事責任は誠に重大である。

 

しかしながら,原判決は,上記の諸事情を説示しつつも,

本件犯行の悪質性に関し,インターネット上の掲示板を介して

知り合った者らによる犯行であることを過度に強調するのは相当でないこと,

計画性の程度に関し,当初から意図的に残虐な殺害方法をとった場合と

比較して多少の差があること,被告人の役割に関し,

Aと全く同等にまでみることはできないこと,

交通関係の罰金前科があるほかに前科がないことなどを指摘している。

 

そして,原判決は,殺害された被害者が1名である本件において,

死刑の選択がやむを得ないといえるほど

他の量刑要素が悪質であるとは

断じ難い旨判示しているところ,

原判決のこのような判断が誤りであるとはいえない。

 

また,所論のいうように本件の罪質を身の

代金目的拐取事案と同視することも相当でない。

 

そうすると,第1審の死刑判決を破棄し,

被告人を無期懲役に処した原判決が,

刑の量定において甚だしく不当であるということはできない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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