商標法施行規則(平成13年経済産業省令第202号による改正前のもの)別表第35類3に定める「商品の販売に関する情報の提供」

(平成23年12月20日最高裁)

 

この裁判では、

商標法施行規則(平成13年経済産業省令第202号による改正前のもの)

別表第35類3に定める「商品の販売に関する情報の提供」の意義について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

(1) 商標登録出願は,商標の使用をする商品又は役務を,

商標法施行令で定める商品及び役務の区分に従って

指定してしなければならないとされているところ(商標法6条1項,2項),

商標法施行令は,同区分を,「千九百六十七年七月十四日に

ストックホルムで及び千九百七十七年五月十三日にジュネーヴで

改正され並びに千九百七十九年十月二日に修正された標章の登録のための商品及び

サービスの国際分類に関する千九百五十七年六月十五日のニース協定」

1条に規定する国際分類(以下,単に「国際分類」という。)に従って

定めるとともに,各区分に,その属する商品又は役務の内容を

理解するための目安となる名称を付し(同令1条,別表),

商標法施行規則は,上記各区分に属する商品又は役務を,

国際分類に即し,かつ,各区分内において更に

細分類をして定めている(商標法施行令1条,商標法施行規則6条,別表)。

 

また,特許庁は,商標登録出願の審査などに当たり商品又は

役務の類否を検討する際の基準としてまとめている

類似商品・役務審査基準において,互いに類似する商品又は役務を

同一の類似群に属するものとして定めている。

 

そうすると,商標法施行規則別表において定められた商品又は

役務の意義は,商標法施行令別表の区分に付された

名称,商標法施行規則別表において当該区分に属するものとされた商品又は

役務の内容や性質,国際分類を構成する類別表注釈において示された商品又は

役務についての説明,類似商品・役務審査基準における

類似群の同一性などを参酌して

解釈するのが相当であるということができる。

 

(2) 本件指定役務は,本件商標登録出願時に施行されていた

商標法施行規則別表(平成13年経済産業省令第202号による

改正前のもの。以下「省令別表」という。)第35類3に定める

「商品の販売に関する情報の提供」を意味するものと解されるので,

上記(1)に説示したところを踏まえて,省令別表第35類3に定める

「商品の販売に関する情報の提供」の意義について検討する。

 

政令別表第35類は,その名称を

「広告,事業の管理又は運営及び事務処理」と

するものであるところ,上記区分に属するものとされた

省令別表第35類に定められた役務の内容や性質に加え,

本件商標登録の出願時に用いられていた

国際分類(第7版)を構成する類別表注釈が,

第35類に属する役務について,

「商業に従事する企業の運営若しくは

管理に関する援助又は商業若しくは工業に従事する企業の事業若しくは

商業機能の管理に関する援助を主たる目的とするもの」を含むとしていること,

「商品の販売に関する情報の提供」は,

省令別表第35類中の同区分に属する役務を

1から11までに分類して定めているうちの3において,

「経営の診断及び指導」,「市場調査」及び「ホテルの事業の管理」

と並べて定められ,類似商品・役務審査基準においても,

これらと同一の類似群に属するとされていることからすれば,

「商品の販売に関する情報の提供」は,「経営の診断及び指導」,

「市場調査」及び「ホテルの事業の管理」と同様に,

商業等に従事する企業の管理,運営等を

援助する性質を有する役務であるといえる。

 

このことに,「商品の販売に関する情報の提供」

という文言を併せて考慮すれば,省令別表第35類3に定める

「商品の販売に関する情報の提供」とは,

商業等に従事する企業に対して,

その管理,運営等を援助するための情報を

提供する役務であると解するのが相当である。

 

そうすると,商業等に従事する企業に対し,

商品の販売実績に関する情報,商品販売に係る

統計分析に関する情報などを提供することが

これに該当すると解されるのであって,

商品の最終需要者である消費者に対し商品を紹介することなどは,

「商品の販売に関する情報の提供」には当たらないというべきである。

 

(3) なお,本件商標登録の出願時に用いられていた

前記国際分類を構成する類別表注釈では,

第35類に属する役務について,

平成9年1月1日に発効した改訂によって,

「他人の便宜のために各種商品を揃え(運搬を除く。),

顧客がこれらの商品を見,かつ,購入するための便宜を図ること」

が同類に属する役務に含まれる旨の記載が追加されており,その後,

平成18年法律第55号により,商標の使用対象となる役務として

「小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」

が追加されて(商標法2条2項),これに伴い,

商標法施行令別表第35類に小売又は卸売の業務において

行われる顧客に対する便益の提供の役務が追加され,

商標法施行規則別表第35類にも,接客,カタログを通じた商品選択の便宜を

図ることなど商品の最終需要者である消費者に対して

便益を提供する役務が商標の使用対象となる役務として

認められるようになったなどの経緯がある。

 

しかしながら,本件商標登録の出願時には,

上記の法令の改正はいまだ行われていなかったのであって,

上記の経緯を考慮しても,本件商標登録の出願時に,

消費者に対して便益を提供する役務が,

上記の法令の改正等がされる以前から定められている省令別表第35類3の

「商品の販売に関する情報の提供」に含まれていたものと

解する余地はないというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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