土地の所有権を有することの確認を求める訴えの確認の利益

(平成23年6月3日最高裁)

事件番号  平成22(受)285

 

この裁判は、土地を時効取得したと主張する者が,

当該土地は所有者が不明であるから

国庫に帰属していたとして,国に対し当該土地の所有権を有することの

確認を求める訴えにつき,確認の利益を欠くとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

被上告人は,本件土地が被上告人の所有に

属していないことを自認している上,

前記事実関係によれば,被上告人は,

本件土地が明治8年7月8日地租改正事務局議定「地所処分仮規則」に従い

民有地に編入されたことにより,

上告人が主張する取得時効の起算点よりも前にその所有権を失っていて,

登記記録上も本件土地の表題部所有者でも

所有権の登記名義人でもないというのであるから,

本件土地の従前の所有者が不明であるとしても,

民有地であることは変わらないのであって,

上告人が被上告人に対して上告人が

本件土地の所有権を有することの

確認を求める利益があるとは認められない。

 

所論は,本件訴えの確認の利益が認められなければ,

上告人がその所有名義を取得する手段がないという。

 

しかし,表題部所有者の登記も所有権の登記もなく,

所有者が不明な土地を時効取得した者は,

自己が当該土地を時効取得したことを証する情報等を登記所に提供して

自己を表題部所有者とする登記の申請をし

(不動産登記法18条,27条3号,

不動産登記令3条13号,別表4項),

その表示に関する登記を得た上で,

当該土地につき保存登記の申請をすることができるのである

(不動産登記法74条1項1号,不動産登記令7条3項1号)。

 

本件においては,上告人において

上記の手続を尽くしたにもかかわらず

本件土地の所有名義を取得することが

できなかったなどの事情もうかがわれず,

所論はその前提を欠くものというべきである。

 

そうすると,本件訴えは確認の利益を欠き

不適法であるといわざるを得ない

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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