土地家屋調査士法(平成14年法律第33号による改正前のもの)17条の6

(平成17年12月13日最高裁)

事件番号  平成17(受)1398

 

この裁判は、

公共嘱託登記土地家屋調査士協会の総会において

社員の除名決議をするに当たり除名事由が具体的に

特定して示されたとはいえないとして決議が無効とされた事例です。

 

最高裁判所の見解

前記事実関係によれば,上告人は,

官公署等による登記に関する手続の円滑な実施に資すること等を

目的とする公共嘱託登記土地家屋調査士協会であるから,

上告人の内部規律に関しては,宗教法人や学校法人の内部規律とは異なり,

上告人の裁量的判断にゆだねられる余地は少ない。

 

とりわけ,社員の除名といった法律関係を終了させる処分は,

当該社員の存在が上告人の目的に反し,又は

その目的を阻害するといった明確な事実が

あったときに許容されるものである

(最高裁平成11年(受)第722号同13年4月26日

第一小法廷判決・裁判集民事202号205頁参照)。

 

また,公共嘱託登記土地家屋調査士協会は,正当な理由がない限り,

土地家屋調査士が加入することを拒めない

(平成14年法律第33号による改正前の

土地家屋調査士法17条の6第4項)のであり,

このように加入拒否について法律上制限があることからしても,

上告人において,上記のような除名の要件を満たさない

社員の除名が許されないことは明らかである。

 

上告人が,定款10条で,社員の除名について,

除名事由や除名の手続を定めているのも,

上記のような趣旨によるものと解される。

 

そうすると,上告人においては,除名の決議に当たって,

除名の対象者を含む上告人の社員に対して,

除名事由に当たる事実を具体的に特定して示し,

除名の対象者に対し,当該具体的な事実について

必要かつ十分な弁明の機会を与えるとともに,

議決権者である社員が当該具体的な事実に基づいて

除名事由の存否を的確に判断することが

できるようにすべきであるということができる。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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