遺言執行者がある場合における遺言によって特定の相続人に相続させるものとされた

特定の不動産についての賃借権確認請求訴訟の被告適格

(平成10年2月27日最高裁)

事件番号  平成7(オ)1993

 

最高裁判所の見解

特定の不動産を特定の相続人に相続させる趣旨の遺言をした遺言者の意思は、

右の相続人に相続開始と同時に遺産分割手続を経ることなく

当該不動産の所有権を取得させることにあるから

(最高裁平成元年(オ)第一七四号同三年四月一九日第二小法廷判決・

民集四五巻四号四七七頁参照)、その占有、管理についても、

右の相続人が相続開始時から所有権に基づき自ら

これを行うことを期待しているのが通常であると考えられ、

右の趣旨の遺言がされた場合においては、遺言執行者があるときでも

遺言書に当該不動産の管理及び相続人への引渡しを

遺言執行者の職務とする旨の記載があるなどの特段の事情のない限り、

遺言執行者は、当該不動産を管理する義務や、

これを相続人に引き渡す義務を負わないと解される。

 

そうすると、遺言執行者があるときであっても、

遺言によって特定の相続人に相続させるものとされた

特定の不動産についての賃借権確認請求訴訟の被告適格を有する者は、

右特段の事情のない限り、遺言執行者ではなく、

右の相続人であるというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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