地方税法(平成11年法律第160号による改正前のもの)403条1項

(平成19年1月19日最高裁)

事件番号  平成16(行ヒ)253

 

この裁判では、

公路に直接接していない無道路地であっても実際に利用している

公路への通路が同一の所有者に帰属する場合は固定資産課税台帳に

登録すべき価格を決定するに当たり

固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)所定の

通路開設補正を適用しないとする取扱いと

地方税法(平成11年法律第160号による改正前のもの)

403条1項について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

評価基準は,無道路地に対し画地計算法を適用するに当たり,

路線価に奥行価格補正率,通路開設補正率及び無道路地補正率を乗じて

1㎡当たりの評点数を求め,これに当該無道路地の地積を乗じて

その評点数を求めることとしているが,ここにいう通路開設補正率は,

当該無道路地が公路に接続しない状態を解消するための通路を確保するのに

必要な費用及び期間に着目した補正率であると解される。

 

そうすると,現に自己所有地を通路として使用し,

これによって公路に接続している土地は,

たとえ公図上は公路に接していなくとも,

新たにこれを公路に接続させる通路を確保するための

費用及び期間を要しないのであるから,

通路開設補正を適用しない取扱いをすることも

許されるものと解するのが相当である。

 

したがって,取扱要領が上記のような土地について

通路開設補正を適用しないものと定めていることには合理性があり,

この定めが評価基準に反し違法であるということはできず,

本件土地の評価に当たっては,取扱要領に従い,

通路開設補正を適用しないで評価すべきものである。

 

これを前提として平成12年度における本件土地の価格を算定すると,

本件土地の1㎡当たりの評点数は,

南側街路の路線価(24万6000点)に

奥行価格補正率0.81及び無道路地補正率0.6を乗じた

11万9556点となり,これに本件土地の地積の

平米数(1286.67)を乗じた

1億5382万9118点(小数点以下切捨て)が

本件土地の評点数となる。本件土地の平成12年度における価格は,

これに前記の時価下落修正率0.979を乗じた

1億5059万8706円(1点数当たり1円。小数点以下切捨て)から

前記の土地造成費相当額270万2007円を控除した

1億4789万6699円である。

 

以上によれば,本件土地の評価に当たり取扱要領の定めに合理性がないとして

通路開設補正を適用すべきものとした原審の判断には,

判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

 

論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり,

原判決のうち上記判断に係る部分は破棄を免れない。

 

その余の上告受理申立て理由は,上告受理の決定において排除された。

 

そうすると,本件決定のうち

価格6309万0646円を超える部分の取消しを

求める被上告人の請求については,

価格1億4789万6699円を超える部分の取消しを求める限度において

理由があるから認容し,その余の請求は理由がないから棄却すべきである。

これと異なる原判決は主文のとおり変更すべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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