地方自治法232条1項
(平成17年11月15日最高裁)
事件番号 平成16(行ヒ)46
この裁判は、
市の助役が民間団体の開催する会合に出席した際に
祝儀として市長交際費から支出された金員が会費相当額として
社会通念上相当と認められる範囲を超えるものとした
原審の判断に違法があるとされた事例です。
最高裁判所の見解
前記事実関係によれば,懇親会費用には,
出席した会員が各自支払った懇親会費のほか,
本件団体の年会費から拠出された金員も充てられたというのであるから,
懇親会の会費相当額は1人当たり5000円を
超えるものであったということができる。
この点につき,原審は,その超過額は
ごくわずかであると判断するにとどまり,
具体的に確定していない。さらに,本件金員は,
祝儀として市長交際費から支出されたものであるところ,
本件団体は無償で市の管理する墓地の草刈りをしている
団体であるというのであるから,
本件金員は,単に懇親会の会費としての性質を有するにとどまらず,
本件団体による労働奉仕に謝意を示す性質をも
有していたのではないかということがうかがわれる。
そうすると,本件金員を支出した理由に関する
上記のような事情の有無を検討しなければ,
本件金員の支出が会費相当額として
社会通念上相当と認められる範囲を逸脱するものであるか否かを
判断することはできないというべきである。
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