地方自治法242条の2第1項

(平成14年7月18日最高裁)

事件番号  平成13(行ヒ)104

 

この裁判は、

府から建設の委託を受けた施設について

日本下水道事業団が発注した設備工事の請負金額が業者らの談合によって

不当につり上げられた場合には府に損害が発生するとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

本件各委託工事の内容は,

電気設備工事である本件各工事のみならず,

他の工事をも含むものであるが,本件談合により

他の工事の請負金額が変動するものではない。

 

そうすると,上告人ら主張のように,

本件各工事の請負金額が本件談合により不当につり上げられたものであり,

本件談合がなく公正な競争が確保されていたなら,

その金額は少なくとも20%は低額になったものであるということを

前提とするならば,本件談合という不法行為がなければ,

被上告人事業団が支出する請負金額の合計額は,

その差額(以下「本件差額」という。)に相当する分について減少し,

本件差額相当分が被上告人事業団から府へ

還付されたはずのものというべきである。

 

府が,被上告人事業団が発注する工事の

請負金額の決定に介入することはできず,

被上告人事業団の精算報告の内容に諾否を決めることができないことが,

上記の点に影響を及ぼすものではない。

 

したがって,本件談合という不法行為によって本件差額が生ずるのであるならば,

府に本件差額相当額の損害が発生するものというべきである。

 

以上によれば,本件談合により本件差額が生ずるとしても,

本件談合によって府が損害を被ったとはいえないとした

原審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

 

論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。

そして,本件については,府の損害賠償請求権の成否につき,

更に審理を尽くさせる必要があるから,原審に差し戻すこととする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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