地方自治法242条の2第1項4号所定の「当該職員」に対する訴えの原告が

「当該職員」に該当しない者を誤って被告としたときにおける

行政事件訴訟法一五条の準用の有無

(平成11年4月22日最高裁)

事件番号  平成9(行ツ)165

 

最高裁判所の見解

地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する

損害賠償請求又は不当利得返還請求に係る訴えにおいて、

原告が被告とすべき「当該職員」を誤ったとしてした

被告変更の申立てに対して行政事件訴訟法一五条の準用による

裁判所の許可決定がされた場合、従前の被告に対する訴えの提起は、

新たな被告に対する損害賠償請求権又は

不当利得返還請求権についての

裁判上の請求又はこれに準ずる時効中断事由には

該当しないと解するのが相当である。

 

地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する

損害賠償請求又は不当利得返還請求に係る訴えは、

普通地方公共団体が「当該職員」に対して

有する実体法上の損害賠償請求権又は

不当利得返還請求権を住民が代位行使する形式によるものであり、

右各請求権は民法又は

地方自治法二四三条の二第一項に基づくものである。

 

最初の訴えの提起により従前の被告に対する

右の実体法上の請求権について裁判上の請求としての

時効中断の効力が生ずることはいうまでもないが、

時効中断の効力は中断行為の当事者及び

その承継人に対してのみ及ぶものであり(民法一四八条)、

行政事件訴訟法一五条三項は、特に出訴期間の遵守に限って

新たな被告に対する訴えを最初に訴えを提起した時に

提起したものとみなす旨を規定したものであって、

民法一四八条の前記の原則を修正した規定であると解することはできず、

他に右の原則を修正したと解し得る

実体法上の規定を見いだすこともできない。

 

また、従前の被告に対する右の実体法上の請求権と新たな被告に

対する右の実体法上の請求権について連帯債務に関する

民法四三四条の規定を適用することもできないものというべきである。

 

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