地方自治法242条2項ただし書にいう正当な理由の有無の判断基準

(平成14年9月12日最高裁)

事件番号  平成10(行ツ)69

 

最高裁判所の見解

地方自治法242条2項本文は,財務会計上の行為のあった日又は終わった日から

1年を経過したときは監査請求をすることができない旨を定めるところ,

上記行為のあった日とは一時的行為のあった日を,

上記行為の終わった日とは継続的行為について

その行為が終わった日を,それぞれ意味するものと解するのが相当であり,

当該行為が外部に対して認識可能となるか否かは,

同項本文所定の監査請求期間の起算日の決定に

何ら影響を及ぼさないというべきである。

 

前記事実関係によれば,本件監査請求において,支出金ウに関しては,

前記1(2)ウの支出決定,支出命令及び支出(以下「ウの各財務会計行為」という。)が

監査請求の対象となる財務会計上の行為とされていたところ,

これらはいずれも一時的行為である。

 

したがって,ウの各財務会計行為を対象とする監査請求においては

各行為のあった日を基準として同項本文の規定を適用すべきである。

 

そうすると,これらを対象とする監査請求は,

本件監査請求のあった平成2年3月7日に初めてされたとしても,

あるいは第1審原告らが主張するように同年2月17日にされたとしても,

ウの各財務会計行為のあった日から同項本文所定の1年の

監査請求期間を経過した後にされたものというべきである。

 

以上によれば,原審の前記判断には法令の解釈適用を誤った違法があり,

この違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである。

 

論旨は理由があり,原判決中上記判断に係る部分は破棄を免れない。

そして,ウの各財務会計行為を対象とする監査請求に

法242条2項ただし書にいう正当な理由があるか否かにつき

更に審理を尽くさせるため,上記部分につき

本件を原審に差し戻すのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク