地方自治法96条1項6号,地方自治法237条2項

(平成17年11月17日最高裁)

事件番号  平成15(行ヒ)231

 

この裁判では、

普通地方公共団体の財産の適正な対価によらない譲渡又は

貸付けに係る地方自治法237条2項の議会の議決につき

適正な対価によらないものであることを前提としてされることの要否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

地方自治法237条2項は,

条例又は議会の議決による場合でなければ,

普通地方公共団体の財産を適正な対価なくして譲渡し,

又は貸し付けてはならない旨規定している。

 

一方,同法96条1項6号は,条例で定める場合を除くほか,

財産を適正な対価なくして譲渡し,

又は貸し付けることを議会の議決事項として定めている。

 

これらの規定は,適正な対価によらずに

普通地方公共団体の財産の譲渡等を行うことを無制限に許すとすると,

当該普通地方公共団体に多大の損失が生ずるおそれがあるのみならず,

特定の者の利益のために財政の運営がゆがめられるおそれもあるため,

条例による場合のほかは,適正な対価によらずに

財産の譲渡等を行う必要性と妥当性を議会において審議させ,

当該譲渡等を行うかどうかを議会の判断にゆだねることとしたものである。

 

このような同法237条2項等の規定の趣旨にかんがみれば,

同項の議会の議決があったというためには,

当該譲渡等が適正な対価によらないものであることを前提として

審議がされた上当該譲渡等を行うことを認める

趣旨の議決がされたことを要するというべきである。

 

議会において当該譲渡等の対価の妥当性について審議がされた上

当該譲渡等を行うことを認める趣旨の議決がされたというだけでは,

当該譲渡等が適正な対価によらないものであることを前提として

審議がされた上議決がされたということはできない。

 

これを本件についてみると,原審は,町議会が

本件補正予算を可決するに当たり本件譲渡が

適正な対価によらないものであることを前提として

審議がされた上その議決がされた事実を確定しておらず,

原審が確定した事実関係の下においては,

本件補正予算の可決をもって本件譲渡につき

地方自治法237条2項の議会の議決があったということはできない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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