埼玉の母子殺害事件

(平成10年10月8日最高裁)

事件番号  平成4(あ)824

 

最高裁判所の見解

記録を精査しても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない

(被告人が第一審判決判示第二の住居侵入、強盗殺人、

現住建造物放火の犯行を行ったとする原判決の認定に

誤りがあるとは認められない。

 

また、右犯行は、生活費等に窮した被告人が、

あらかじめ周辺の下見をするなどした上、

昭和五五年三月二一日午前零時過ぎころ、

実弟のAとともに、金員を窃取し、もし家人に発見された場合は

その反抗を抑圧してこれを強取する意図の下にB方住居に侵入し、

金員を物色中、一人で就寝中のCに発見されて、

二人がかりで同女を押さえ付け、殺意をもって

同女の頸部をビニールひもで絞め付けて殺害し、

引き続き現金等の入った手提げ金庫を強取し、

その後帰宅してきたDに対しても、不意を襲い、

Aとともに殺意をもってその頸部を

ビニールひもで絞め付けて殺害し、

さらに、犯跡を隠ぺいする目的で、Aと共謀の上、

現場の家屋に放火してその一部を焼損したという事案である。

 

その結果は極めて重大であり、犯行の態様も計画的で、

凶悪、残忍であって、動機に酌量の余地もない。

 

さらに、被告人は、右犯行後間もない同月三一日未明、

Aとともに、他人の住居内において、

家人らに対し頭部を鉄パイプで殴打したり手足を

緊縛するなどの危険で執ような暴行を加えて金品を強取し、

その際家人二名に傷害を負わせるという

第一審判決判示第三の強盗致傷の犯行にも及んでいること、

右各犯行においていずれも被告人が主導的な役割を果たしていること、

遺族らの被害感情、社会に与えた影響、

前科関係等の諸事情に照らすと、被告人の生育歴、

犯行時の年齢等、被告人のために酌むべき諸事情を十分考慮しても、

被告人の罪責は誠に重く、前記第二及び第三の事犯について

被告人を死刑に処した第一審判決の科刑を原判決が維持したのは、

やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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