埼玉愛犬家連続殺人事件

(平成21年6月5日最高裁)

事件番号  平成17(あ)1840

 

被告人両名は,夫婦で共同して

犬の繁殖販売業を営んでいたものであるが,

本件は,(1) 被告人両名が,共謀の上,

外国犬を不当な価格で購入させられたことに気付いて

売買代金の返還等を要求してきたCを,硝酸ストリキニーネを詰めた

カプセルを飲ませて毒殺し,Dとも共謀の上,

Cの死体を解体し焼損して投棄し,

(2) 被告人両名が,共謀の上,

被告人両名のC殺害を薄々察知して

財産的な要求を繰り返してきたEを,

その付き人であるFもろとも,

硝酸ストリキニーネを詰めたカプセルを飲ませて毒殺し,

Dとも共謀の上,両名の死体を解体し焼損して投棄し,

(3) 被告人Aが,Gにしていた出資話が虚偽であることが露見して

紛議が発生することを防止しようなどと考え,

Gを,硝酸ストリキニーネを詰めたカプセルを飲ませて毒殺し,

Dと共謀の上,Gの死体を解体し焼損して投棄したという,

殺人,死体損壊・遺棄の事案である。

 

いずれの犯行も計画的なもので,動機に酌量の余地はなく,

各被害者に猛毒の硝酸ストリキニーネを詰めたカプセルを

栄養剤であるなどと偽って飲ませ,苦もんのうちに中毒死させた上,

その死体を切り刻み焼却して,山や川に捨てるという犯行態様も,

冷酷無慈悲で悪質極まりないものである。

 

被告人Aにおいては4名の,被告人Bにおいては

3名の生命を奪い,その死体を

損壊・遺棄したという結果は誠に重大である。

 

被告人両名は,不合理な弁解を繰り返しており,

真しな反省の態度も認められない。

 

これらの事情に加え,各遺族の被害感情,

本件が社会に与えた影響等に照らすと,

被告人Aは,科料の前科があるのみであること,

被告人Bは,上記(1)の実行行為には関与していないこと,

前科がなく,被告人Aと出会うまでは問題のない

社会生活を送っていたことなどの事情を考慮しても,

被告人両名の罪責は極めて重大であり,

被告人両名を死刑に処した第1審判決を維持した原判断は,

当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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