外国人登録法違反

(平成9年11月17日最高裁)

事件番号  平成6(あ)687

 

最高裁判所の見解

上告趣意のうち、憲法一三条、一四条違反をいう点について

憲法一三条により個人の意思に反してみだりにプライバシーに属する

情報の開示を公権力により強制されることはないという利益が

尊重されるべきであるとしても、

右のような利益ないし

自由も無制限なものではなく、公共の福祉のために制限を受けることは、

憲法一三条の文言から明らかである。

 

外国人に対し外国人登録原票に登録した事項の確認の申請を

義務付ける制度(以下「登録事項確認制度」という。)を

定めた平成四年法律第六六号による改正前の

外国人登録法八条一項一号及び昭和六二年法律第一〇二号による

改正前の外国人登録法一一条一項の各規定は、

本邦に在留する外国人の居住関係及び身分関係を明確ならしめ、

もって在留外国入の公正な管理に資するという行政目的を達成するため、

外国人登録原票の登録事項の正確性を維持、

確保する必要から設けられたものであって、

その立法目的には十分な合理性があり、かつ、

その必要性も肯定することができる。

 

そして、右法条により確認を求められる事項は、

職業、勤務所等の情報を含むものであるが、

いずれも人の人格、思想、信条、良心等の内心に関わる情報とはいえず、

同制度は、申請者に過度の負担を強いるものではなく、

一般的に許容される限度を超えない相当なものであると認められる。

 

右のような立法目的の合理性、制度の必要性、相当性が

認められる登録事項確認制度は、公共の福祉の要請に基づくものであって、

同制度を定めた前記各規定は、憲法一三条に違反しない。

 

また、登録事項確認制度は、在留外国人に対し日本人とは

異なった取扱いをするものであるが、

右のような目的、必要性、相当性が認められ、

戸籍制度のない外国人については、

日本人とは社会的事実関係上の相違があって、

その取扱いに差異を生じることには合理的根拠があり、

登録事項確認制度を定めた前記各規定は、

憲法一四条に違反するものでもない。

 

以上のように解すべきことは、当裁判所の

判例(最高裁昭和二五年(あ)第五八六号同二八年五月六日大法廷判決・

刑集七巻五号九三二頁、最高裁昭和二六年(あ)第三九一一号

同三〇年一二月一四日大法廷判決・刑集九巻一三号二七五六頁、

最高裁昭和二九年(あ)第二七七七号同三一年一二月二六日大法廷判決・

刑集一〇巻一二号一七六九頁、

最高裁昭和三七年(あ)第九二七号同三九年一一月一八日大法廷判決・

刑集一八巻九号五七九頁)の趣旨に徴して明らかである

(なお、最高裁昭和三四年(あ)第七七四号同年七月二四日第二小法廷判決・

刑集一三巻八号一二一二頁、

最高裁昭和五四年(あ)第一一二号同五六年一一月二六日第一小法廷判決・

刑集三五巻八号八九六頁、

最高裁平成二年(あ)第八四八号同七年一二月一五日第三小法廷判決・

刑集四九巻一〇号八四二頁参照)。

 

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