大阪の中国人留学生・会社員強盗殺人等事件

(平成24年7月24日最高裁)

事件番号  平成21(あ)2078

 

本件は,被告人が, 共犯者と共謀の上,深夜,住宅街の路上において,

帰宅途中の中国人女性留学生(当時24歳)からバッグを強奪し,

逃走しようとした際,被告人を取り押さえようとした男性(当時34歳)に対し,

被告人において,殺意をもって,

骨そぎナイフを下方から腹部に向けて1回突き上げ,

左大腿部切創の傷害を負わせ,

その直後に,被告人を追い掛けてきた上記女性に対し,

殺意をもって,その胸部,腹部等を同ナイフで突き刺して失血死させ,

 その約7年半後に,夜間,飲食店の入るビルの共同トイレにおいて,

会社員の男性(当時30歳)に対し,

金品を強奪する目的で刃物を突き付けるなどして脅迫したところ,

男性が応じなかったため,殺意をもって,

その胸部等を数回突き刺して失血死させた,

という強盗殺人2件,同未遂1件の事案である。

 

被告人は,仕事を辞めて競馬等にのめり込み,怠惰な生活を送る中で,

生活費や遊興費に窮し,共犯者と強盗を計画しての犯行に及び,

その後,逃亡,潜伏生活の挙げ句,再び仕事を辞めて金銭に窮すると,

又しても刃物を用いての強盗を決意し,単独での犯行に及んでおり,

各犯行の経緯及び動機に酌量すべき事情は認められない。

 

いずれの犯行も,あらかじめ凶器を準備して

金品を奪えそうな相手を物色するなど,

強盗については計画性が認められる上,その殺害態様は,

残虐かつ冷酷で,人命軽視の性向が顕著にみられる。

 

何ら落ち度のない2名の被害者の生命を奪い,

1名の被害者に軽からぬ傷害を負わせたという結果は,

誠に重大である。

 

被告人の凶行により最愛の娘や息子を奪われた両親らは,

悲痛な心情を吐露し,その処罰感情はしゅん烈である。

 

また,被告人は,相当以前のものとはいえ,

刃物等の凶器を使った強盗致傷,

強盗等の罪による前科を有しており,

更生の可能性を見いだすことは困難である。

 

そうすると,各殺害自体は計画的ではないこと,強盗目的を隠して

虚偽の申告をしているとはいえ,の犯行の1週間後に

自ら警察に出頭し,その早期解明に寄与していること,

本件各犯行に及び被害者らを死亡又は負傷させたことについて

被告人なりに反省の態度を示し,被害者らや

その遺族への謝罪の意思を表していることなど,

被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても,

その刑事責任は極めて重大であり,原判決が維持した

第1審判決の死刑の科刑は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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