大阪の愛犬家ら連続殺人等事件

(平成17年12月15日最高裁)

事件番号  平成13(あ)670

 

最高裁判所の見解

本件は,(1) かつて同僚であった男性(当時23歳)から,

同人の悪口を職場の者に言い触らしたと非難されたことに

憤まんの情を募らせるなどして,同人の殺害を企て,

長野県塩尻市所在の畑地に同人を誘い込み,

その手足を緊縛するなどした上で,

同所に駐車中の自動車内で同人に筋弛緩剤を注射して殺害し,

(2) 知人の夫婦に対し店の開業資金の援助などを約束し,

その夫(当時33歳)から約束の履行を迫られたものの,

資金のあてがなく,同人の要求に嫌気がさすなどして,

同人の殺害を企て,上記畑地に同人を誘い込み,

同所に駐車中の自動車内で眠っていた同人に筋弛緩剤を注射して殺害し,

(3) 被告人の仕事を手伝わせていた男性(当時20歳)から

アルバイト料の支払を求められたのが煩わしくなるなどして,

同人の殺害を企て,上記畑地に同人を誘い込み,

同所に駐車中の自動車内で眠っていた同人に筋弛緩剤を注射して殺害し,

(4) 被告人に繁殖用の犬の購入資金を交付していた女性(当時47歳)から,

犬の入手を強く求められたことなどに憤激して,

同女の殺害を企て,大阪府八尾市所在の

当時の被告人方で同女に筋弛緩剤を注射して殺害し,

(5) 被告人に犬の繁殖事業のため多額の資金を

提供していた女性(当時47歳)から,

事業の開始を繰り返し求められて嫌気がさしていたところ,

被告人運転の自動車に同乗していた同女が後部荷台に積んでいた

(4)の被害者の死体を入れたロッカーに関心を示したことから,

同女に死体の存在を察知されたと思い込み,

とっさに同女の殺害を決意し,大阪市内の路上に停車中の

上記自動車後部荷台において,その手足を緊縛するなどした上で,

同女に筋弛緩剤を注射して殺害し,

(6) 各殺害後,被害者の死体をいずれも前記畑地の土中に埋めて

遺棄したという殺人,死体遺棄の事案である。

 

以上の各犯行は,いずれも動機及び犯行に至る経緯に酌量の余地はなく,

犯行態様も冷酷,非道かつ残忍である。

 

殺害された被害者は合計5名に及んでおり,

生じた結果は極めて重大である。被告人は,

1年4か月余りの間に相次いで

上記各犯行を敢行していったものであって,

安易に殺人に及ぶ傾向が顕著に認められる。

 

これらの犯行が社会に与えた影響は大きく,

遺族の被害感情も厳しい。以上の事情に照らすと,

捜査段階で犯行を認めて反省の情を示していたことなど,

被告人のために酌むべき情状を十分考慮しても,

被告人の刑責は誠に重大であり,原判決が維持した

第1審判決の死刑の科刑は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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