スポンサードリンク

【判例】宗教団体内でされた懲戒処分の効力の有無の確認を求める訴えの適否 (平成4年1月23日最高裁)宗教団体内でされた懲戒処分の効力の有無の確認を求める訴えの適否

(平成4年1月23日最高裁)

事件番号  昭和63(オ)1730

 

最高裁判所の見解

宗教団体内部においてされた懲戒処分が

被処分者の宗教活動を制限し、

あるいは当該宗教団体内部における

宗教上の地位に関する不利益を

与えるものにとどまる場合においては、

当該処分の効力に関する紛争をもって具体的な権利又は

法律関係に関する紛争ということはできないから、

裁判所に対して右処分の効力の有無の確認を

求めることはできないと解すべきである

(最高裁昭和五一年(オ)第九五八号

同五五年一月一一日第三小法廷判決・

民集三四巻一号一頁参照)。

 

これを本件についてみるに、原審の適法に確定したところによれば、

本件処分は、被上告人の宗教団体内部の規律違反に関するものであり、

被上告人の宗教団体内部において、

上告人の僧侶としての宗教活動を制限し、

又は宗教団体内の地位をはく奪し、

若しくは降格するものであるというのである。

 

そうすると、本件処分の効力の有無をもって

具体的な権利又は法律関係に関する紛争ということはできない。

 

もっとも、上告人は、前記1(三)記載のとおり、

本件処分により上告人が被る不利益として、

宗教法人D寺の代表役員又は同寺の

住職たる地位の喪失及び僧侶としての

活動等が制限されることによる収入の減少を挙げる。

 

しかし、原審認定事実によっても、

D寺の住職たる地位が単なる宗教上の地位以上の

法律関係を含むものであるとは認められない上、

宗教法人D寺の代表役員たる地位の存否は、

同宗教法人との間の紛争であって、

本訴当事者間の権利又は法律関係に関する紛争ということはできない。

 

そして、本件処分の結果として上告人が

経済的及び市民的生活に関する不利益を受け、

これが具体的な権利又は法律関係に関する紛争に

該当することがあるとしても、

その故に本件処分の効力の有無をもって

具体的な権利又は法律関係に関する紛争ということはできない。

 

4 右によれば、請求の内容の当否を判断して

上告人の右請求を棄却すべきものとした原審の判断は違法であり、

この違法が判決に影響することは明らかであるから、

原判決は、この部分につき破棄を免れない。

 

そして、本件処分の無効確認請求に係る訴えは

不適法として却下すべきものであるから、

右請求を棄却した第一審判決を取り消し、

右訴えを却下することとする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク