宗教法人役員地位不存在確認

( 平成8年6月24日最高裁)

事件番号  平成7(オ)823

 

最高裁判所の見解

本件訴えは、上告人が、被上告人においては

住職の地位にある者を代表役員(責任役員を兼ねる)に

充てることになっているところ、

前住職の長男である上告人の同意を得ないでされた

前住職の五男であるDの住職任命は、

長男の権利放棄が長男以外の者を住職に任命するための

要件であるから無効であるなどと主張して、

Dが被上告人の代表役員及び責任役員の

地位にないことの確認を請求するものである。

 

原審は、本件訴えを適法なものと扱い、

本件請求は理由がないと判断して、

これを棄却した第一審判決を維持して

上告人の控訴を棄却した。そこで、

職権をもって上告人の原告適格について判断するに、

記録によれば、被上告人においては、

宗教上の地位である住職の地位にある者を

代表役員(責任役員を兼ねる)に充てることになっているが、

長男の権利放棄が長男以外の者を住職の

地位に任命するための要件になっているとは認められず、

これと同旨の原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、

正当として是認することができる。

 

そして、本件においては、その他に上告人が被上告人の

代表役員等の地位について何らかの

法律上の利害関係を有する地位にあることを

肯認するに足りる事情は認められないから、

前住職Eの長男であるにすぎない上告人は、

本件訴えについて原告適格を有しないというべきである

(最高裁平成三年(オ)第一五〇三号同七年二月二一日第三小法廷判決・

民集四九巻二号二三一頁参照)。

 

そうすると、原判決には法令の解釈適用を誤った違法があり、

この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかであって、

原判決は破棄を免れず、前記説示に照らせば、

第一審判決を取り消して、本件訴えを却下すべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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