宗教法人法12条1項8号

(平成22年4月20日最高裁)

事件番号  平成20(行ヒ)463

 

この裁判では、

宗教法人の規則で財産の処分に関する事項を明示的に定めた規定が

存在しないものは宗教法人法12条1項8号に違反するかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

法12条1項8号によれば,宗教法人の規則には,

「基本財産,宝物その他の財産の設定,管理及び処分,

予算,決算及び会計その他の財務に関する事項」を記載しなければならない。

 

同号にいう「基本財産,宝物その他の財産の設定,管理及び処分」は,

その文理に照らせば,「財務に関する事項」の例示であるから,

宗教法人の規則に記載するのが望ましいことはいうまでもないが,

これを必ず記載しなければならないとまではいえない。

 

また,法23条によれば,宗教法人が例えば不動産又は

財産目録に掲げる宝物を処分し又は担保に供しようとする場合において,

規則に別段の定めがないときは,

これを責任役員の定数の過半数で決し(法19条),かつ,

その行為の少なくとも1か月前にその行為の要旨を

公告しなければならないとされ,これに違反した行為は

法24条の定める限りで無効とされる。

 

したがって,規則中に財産の処分に関する

明示的な規定を持たない宗教法人があったとしても,

法23条及び24条の定める範囲で

その財産の不当な処分が防止され,

財産が保全されることとなる。

 

このように,法は,財産の処分に関する明示的な規定を持たない規則を

有する宗教法人が存在し得ることをも予定し(なお,法52条2項7号参照),

その財産の保全を図っているものと解される。

 

そうすると,宗教法人の規則は,財産の処分に関する事項を

明示的に定めた規定が存在しない場合であっても,

それだけでは法12条1項8号に

違反するものとはいえないと解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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