宣告内容と調書判決の記載が異なる判決に対する非常上告

(平成20年4月15日最高裁)

事件番号  平成20(さ)1

 

最高裁判所の見解

記録によれば,横浜地方裁判所小田原支部は,

平成15年9月2日,上記の道路交通法違反,

業務上過失傷害被告事件につき,被告人を懲役6月に処する,

この裁判確定の日から5年間刑の執行を猶予する,

訴訟費用は被告人の負担とする旨の判決を宣告し,

それが確定したが,その判決書に代えて

作成された調書判決の主文には,

被告人を懲役1年6月に処する,この裁判確定の日から

5年間刑の執行を猶予する,訴訟費用は

被告人の負担とする旨が記載されていたことが認められる。

 

ところで,判決は,宣告により,

宣告された内容どおりのものとして効力を生じ,

宣告された内容が判決書の内容と異なるときは,

判決書の内容及び宣告された内容の双方を含む意味での

判決の全体が訴訟手続の法令違反となり,

その判決が確定したときは,

宣告された内容どおりのものが有効に確定し,

法令違反は,宣告された内容と異なる

判決書の記載部分のみにあると解される

(最高裁昭和50年(あ)第2427号同51年11月4日

第一小法廷判決・刑集30巻10号1887号,

最高裁平成17年(さ)第1号同年11月1日第三小法廷判決・

裁判集刑事288号283頁参照)。

 

したがって,本件においては,

横浜地方裁判所小田原支部が宣告した

被告人を懲役6月に処する旨の内容が有効に確定しているから,

前記調書判決のうち,被告人を懲役1年6月に処するとの

記載部分を訴訟手続の法令違反として破棄すべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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