宮城の貸金業者強盗殺人等事件

(平成21年6月23日最高裁)

事件番号  平成17(あ)1901

 

 

本件は,被告人が,(1) 自己と同じ

暴力団に所属する共犯者4名と共謀の上,

やはり同じ暴力団に所属する被害者が組織から

行方をくらませたことなどに憤激し,

同人に制裁を加えるべく,同人を鉄パイプ等を使用するなどして

多数回にわたって殴るなどするうちに,同人を殺害することを決意し,

同人を自動車でひき,更に殴るけるなどの暴行を加えた上,

海中に投棄するなどして殺害したという殺人,

(2) 上記と同じ共犯者4名と共謀の上,

貸金業等を営んでいた被害者を殺害して,

被告人及び共犯者の一人が被害者に対して負っていた債務を免れるとともに

同人の所持金を奪おうと企て,同人の首を絞めて殺害して債務を免れ,

所持金を奪い,その死体を海中に投棄したという強盗殺人,死体遺棄,

(3) 共犯者2名と共謀の上,その共犯者の一人の実母から

合計2400万円余りの現金をだまし取ったという詐欺の事案である。

 

(1)及び(2)は,わずか1か月足らずの間に2名の尊い命を奪った

重大な犯行であり,その態様は,

(1)については,助命を懇願する被害者に対して,

せい惨な暴行を加えて殺害したものであり,

(2)については,周到に犯行方法に関する謀議を重ねた上で

被害者を殺害した計画的なものであって,

いずれも極めて冷酷非情といわざるを得ない。

 

債務を免れ,かつ,現金を手に入れるという(2)の犯行の目的も,

身勝手というほかない。

 

これらの犯行の凶悪性,残忍性が社会に与えた衝撃は大きく,

各被害者の遺族の処罰感情もしゅん烈である。

 

そして,被告人は,暴力団内で共犯者らに対して

上位の地位にある者として,共犯者らに指図するなどして

上記各犯行を主導し,実行に及んでいるのであり,

上記各犯行においていずれも中心的な役割を果たしている。

 

(3)の犯行についても,態様は悪質であり,被害額も大きい。

 

以上の諸事情に照らすと,被告人に罰金前科しかないこと,

共犯者との刑の均衡などを考慮しても,

被告人の刑事責任は極めて重大であり,

被告人を死刑に処した第1審判決を維持した原判断は,

当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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