宮崎の強盗殺人等事件

(平成18年9月21日最高裁)

事件番号  平成15(あ)894

 

最高裁判所の見解

本件は,父親が経営する工務店等の

資金繰りに窮するなどした被告人が,

(1) 金品強取の目的でホテルの女性事務員(当時55歳)を殺害し,

現金約9500円等在中のセカンドバッグ1個等(物品時価合計約21万円相当)を

強取してその死体を遺棄し,

(2) その約9か月後,借金を申し入れた女性薬剤師(当時63歳)に,

それを断られた上,借金を申し入れたことを口外すると言われたことなどから,

同女の口を封ずるために同女を殺害し,

その死体を遺棄した上,同女が所持していたキャッシュカードを用いて,

銀行の自動預入支払機から現金合計200万円を

引き出して窃取したという事案である。

 

上記(1)の犯行は,強盗殺人を行うことを決めてから,

犯行対象とするのに適した者として被害者を選び出し,

凶器とするロープを購入するなど周到に準備を調えた上,

被害者の勤務先の社長が倒れて病院に運ばれたなどという虚言を用いて

被害者をおびき出し,あらかじめ睡眠導入剤を入れておいた

缶飲料を飲ませて眠らせてからロープを頸部に巻き付け,

確定的殺意により,これを強く絞め続けて殺害したものであり,

犯行は,計画的で,こうかつな手段を用いている上,

残忍かつ冷酷極まりない。

 

そして,被告人は,計画どおり所持金品を強取した上,

死体を畑の中に埋めて遺棄するなど終始強固な犯意の下に犯行を遂行している。

 

上記(2)の犯行は,上記のような口封じを目的に安易に殺害を企て,

確定的殺意により被害者の頸部を両手で強く絞め続けて殺害し,

死体を杉林内に投棄して遺棄するなどしたもので,

犯行態様は,残忍かつ冷酷極まりない。殺害後には,

被害者の多額の預金を引き出すなどの行為にも及んでいる。

 

被告人は,比較的短期間のうちに相次いで2名を殺害し,

被害者は,いずれもこれといった落ち度もないのに

理不尽にも生命を絶たれた上,死体を埋められたり,

投棄されるなどして無惨な姿にされたものであって,

結果は重大であり,遺族らの処罰感情もしゅん烈である。

 

また,本件が社会に与えた影響も軽視し得ない。

以上のような事情に照らすと,被告人の母親が,

受取りは拒まれたものの遺族らに対し謝罪金として

600万円を用意してその支払を申し出たこと,

被告人には前科がないことなど,

被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても,

被告人の刑事責任は,極めて重大であるといわざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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