富山の社長夫婦射殺事件

(平成13年1月30日最高裁)

事件番号  平成9(あ)428

 

最高裁判所の見解

所論にかんがみ,記録を調査しても,

同法411条を適用すべきものとは認められない

(第1審判決が被告人を死刑に処した同判示四ないし六の各罪についてみると,

そのうちの最も重い判示五の犯行は,金銭に窮した被告人が,

会社経営者の夫婦が多額の現金を所持しているとのうわさを耳にして,

ほか1名と共謀の上,この夫婦を殺害して現金を強奪しようと企て,

夫婦を執ように付けねらって強盗殺人の犯行の機会をうかがい,さらに,

殺害の確実性を期するため,小型けん銃から大型けん銃への

凶器の取替え及びその試射などの準備をした末,未明に

前記夫婦方に忍び込み,被告人において寝室で

熟睡中の夫婦の各顔面目がけ至近距離から大型けん銃で

立て続けに銃弾2発を発射してそれぞれ命中させて両名を即死させた上,

その場にあった現金約1200万円等在中のバッグを

強取したという住居侵入,強盗殺人の事案であり,

その余の各犯行は,前記犯行現場におけるけん銃と

実包所持の事案及びほか1名との共謀による昏酔強盗の事案である。

 

住居侵入,強盗殺人の事案は,罪質が極めて悪質であり,

動機に酌量の余地はなく,計画的で,かつ,

強固な殺意に基づく犯行であって,

無防備の者らを急襲して惨殺したその態様も残虐であり,

結果も極めて重大である。

 

しかも,被告人は,この犯行において,

終始主導的立場にあった。

 

加えて,被告人は,この犯行前にも,また,犯行後においてさえ,

次々と標的を替えて強盗殺人ないし殺人を企画していたものであり,

著しい人命軽視の傾向もうかがわれる。

 

以上のほか,遺族らの被害感情,

社会に与えた影響,前科関係等の諸事情に照らすと,

犯行に際し被告人には再三その実行をためらう行動が見られたこと,

逮捕後被告人が犯行を反省して被害者らの冥福を祈っていることなど,

被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても,

被告人の罪責は誠に重いといわなければならない。

 

前記各罪について被告人を死刑に処した第1審判決の科刑を

原判決が維持したのは,やむを得ないものとして,

当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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