富山・長野連続女性誘拐殺人事件

(平成10年9月4日最高裁)

事件番号  平成4(あ)1067

 

最高裁判所の見解

記録を調査しても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない

(本件は、被告人が、それまでの放縦な生活により生じていた

借金を一挙に返済するとともに、かねてからの身勝手な

欲求を実現するための資金欲しさから、若い女性を誘拐して殺害した上、

その家族から多額の身の代金を奪取しようと企て、まず、

富山市内において、帰宅途中の女子高校生(当時一八歳)を

良いアルバイト先があるなどと言葉巧みに誘って

自己の運転する自動車の助手席に乗せるなどして誘拐した上、

睡眠薬を飲ませて昏睡状態に陥れ、あらかじめ準備しておいた腰紐で

その頸部を絞め付けて殺害し、死体を山中に投棄して

遺棄した(第一審判決判示第一の身の代金目的拐取、殺人、死体遺棄)ばかりか、

その後、同女の家族に身の代金を要求する電話をかけ、

家族の対応から要求を中止したものの、同女の失綜を気遣い、

被告人のもとを訪ねて来た同女の肉親の心痛を十分認識しながら、

なお右の企てを断念せず、その八日後に、長野市内において、

帰宅途中の女子会社員(当時二〇歳)を同様に誘い、

睡眠薬を飲ませて昏睡状態に陥れ、あらかじめ準備しておいた腰紐で

その頸部を絞め付けて殺害し、死体を山中に遺棄した上、

多数回にわたり女子会社員の家族に電話をかけて身の

代金三〇〇〇万円を要求した(同判示第二の身の代金目的拐取、殺人、

死体遺棄、拐取者身の代金要求)事案である。

 

金銭欲に出た誘拐殺人、死体遺棄という罪質、

結果ともに極めて重大な犯罪を、計画的に、かつ、

連続して敢行したもので、もとより動機に酌量の余地はなく、

いずれの殺害態様も冷酷、非情であることに加え、

各遺族の被害感情はいずれも深刻であり、富山、長野両県にわたり

連続して敢行された本件が社会に与えた影響も重大である。

 

以上の点に照らすと、被告人の罪責は誠に重く、

被告人には前科がないことなど被告人のために酌むべき事情を

十分考慮しても、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、

やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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