少年の保護処分に対する抗告の提起期間内に抗告について裁判をすることの適否

(平成9年10月6日最高裁)

事件番号  平成9(し)162

 

最高裁判所の見解

少年審判規則四三条は、

「抗告をするには、申立書を原裁判所に差し出すものとする。」、

「前項の申立書には、抗告の趣意を簡潔に明示しなければならない」と規定し、

抗告の趣意を記載した完結した申立書により抗告をすることを予定しており、

抗告審としては、抗告事件を受理した後は、

抗告提起期間内であると否とにかかわりなく、

いつでも裁判をすることができ、

抗告提起期間内はこれを差し控えなければならないものではない。

 

もっとも、抗告申立人が、抗告申立てに際し、特に、

抗告提起期間内に抗告の趣意を補充する旨の明示の申し出をしたときなどには、

抗告提起期間内はその補充を待つことが

運用上相当な場合もあるが、本件抗告申立書には、

前記のとおり括弧書の付記はあるものの、

必ずしも抗告提起期間内に抗告理由を補充する旨をいうものとはみられず、

少なくとも、その趣旨を明示したものということができないばかりでなく、

本件は特修短期の処遇勧告付きの少年院送致決定に対する抗告であって、

できるだけ迅速に裁判すべきことが望まれる事案である上、

審理促進の付記さえされているのであるから、

原審の措置に何ら不当とすべき点はない。

 

したがって、原審が抗告申立補充書の提出を待たずに決定をしたことに

違法、不当はなく、所論は理由がない。

 

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