川崎の6人殺傷事件

(平成18年6月27日最高裁)

事件番号  平成15(あ)658

 

最高裁判所の見解

本件は,被告人が,7名と共謀の上,6名の被害者に対する強盗行為に及び,

うち1名に傷害を負わせ,引き続き,被告人単独で,

被害者のうち3名を殺害し,2名については

刺突行為等に及んだが殺害の目的を遂げなかったという

強盗殺人3件,強盗殺人未遂2件,強盗致傷1件の事案である。

 

すなわち,被告人は,マンションの一室に

5名の中国人と共同で生活していたが,

賃料の分担などをめぐって疎まれるようになり,

犯行数日前には,ささいなことで同居者の一部から暴行を受け,

暴言を吐かれたことなどに強く憤慨し,

5名を殺害して報復しようと考えるに至った。

 

被告人は,仲間と強盗をしているとのうわさのあった親族に対し,

事情を説明して協力を求めたが,殺人はできないと断られたため,

真意を秘して,殺害はせずに被害者らを縛り上げて

自分がされたような暴行を加えて金品を奪取して報復したい旨を述べ,

上記親族と強盗の共謀をし,更に同人において

その仲間6名と強盗の共謀をして順次共謀を遂げた。

 

そして,前記マンションの居室において,共犯者らが,

来訪者1名を含む被害者6名を縛り上げ,

来訪者に傷害を負わせ,財物の奪取行為を終えて退出した後,

被告人において,引き続き同所に残り,単独で,

同居人であった被害者5名に対し,順次,刃体の長さ約21.5㎝の

サバイバルナイフで,胸部,腹部,背部等を多数回にわたり

力任せに刺突するなどし,なお生存の兆候の認められた者は

更に刺突するなどして3名を失血性ショック死等により死亡させて殺害し,

残り2名に対しては,全治約1か月間から

2か月間を要する重傷を負わせたが,

殺害の目的を遂げなかったものである。

 

以上のような本件犯行の凶悪性,残虐性,執よう性,

結果の重大性に加え,遺族や一命を取り留めた被害者らの

被害感情,社会的影響等に照らせば,被害者の側にも

被告人を疎外し暴力を加えた落ち度が認められることなどを考慮しても,

被告人の罪責は極めて重大であって,

被告人を死刑に処した第1審判決を維持した原判断は,

当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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