広島福山老女殺害事件

(平成19年4月10日最高裁)

事件番号  平成16(あ)1554

 

本件は,強盗殺人罪により無期懲役刑に処せられ,

その仮出獄中の被告人が,共犯者と共謀して,

甘言をろうして顔見知りの女性を山中に連れ込んで殺害し,

預金通帳等を強取するなどした強盗殺人のほか,単独で,

あるいは知り合いの女性と共謀の上,前後3回にわたり,

上記預金通帳等を利用して銀行等から現金31万円余りを

詐取するなどした有印私文書偽造,同行使,詐欺の事案である。

 

本件強盗殺人は,確定的な殺意に基づく計画的な犯行であり,

殺害の態様も,背後から被害者の頭部を石で強打して失神させ,

そのけい部にビニールひもを巻き付け両端を共犯者と2人掛かりで

力一杯引っ張って緊縛して窒息死させるという冷酷かつ残虐なものである。

 

その結果は極めて重大であり,遺族らの処罰感情は厳しく,

本件が社会に与えた影響も無視できない。被告人は,

本件強盗殺人の計画と実行の全般にわたり,

終始主導的役割を果たしており,

犯跡を隠ぺいするため遺体をがけ下に放り投げるなどして放置した上,

強取した預金通帳等を利用して詐欺等の犯行にも及んでいる。

 

パチンコに熱中し,金融業者から借金を重ね,

その返済に窮したため犯行に及んだ動機にも

酌量すべき点は全く認められない。

 

そして,被告人は無期懲役刑の仮出獄による釈放後2年余で

本件強盗殺人に及んでおり,その悪質性は極めて高く,

被告人の反社会性,犯罪性も顕著であるといわざるを得ない。

 

以上のような諸事情に照らすと,被告人が

本件に対する反省悔悟の情を示していること,

遺族に謝罪の手紙と共に線香代を送付していることなど,

被告人のために酌むべき情状を十分考慮しても,

本件各犯行についての被告人の刑事責任は極めて重大であり,

原判決の死刑の科刑は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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