広島,岡山の独居老人強盗殺人等事件

(平成23年3月24日最高裁)

事件番号  平成20(あ)573

 

最高裁判所の見解

本件は,被告人が,

(1) クレジット代金の支払資金を工面しようなどと考え,

夜間,強盗の目的で女性(当時91歳)方に侵入し,

同女に暴行脅迫を加えたところ,抵抗を受けたため,

金品強取のため同女の殺害を決意し,二,三分間にわたり

同女の頸部を両手で強く絞め付けて窒息死させたが,

金品を発見できなかったという住居侵入,強盗殺人の事件,

(2) その後,(1)の犯行に関する捜査が自己に及んだことから,

自動車内で寝泊まりする逃走生活を送っていたところ,

同車が故障し,その修理代金等に窮したため,

顔見知りの男性(当時76歳)を殺害して金品を強取することを決意し,

夜間,同人方に侵入し,同人の帰宅を待ち伏せた上,

所携の重さ約1.1㎏の金属製バールで同人の頭部等を

多数回にわたり強い力で殴打して脳挫傷,

外傷性くも膜下出血及び失血により

死亡させて殺害し,現金約5万円等を強取したという

住居侵入,強盗殺人の事件,その他無免許運転等からなる事案である。

 

上記(1)及び(2)の各犯行は,1年2か月余りのうちに,

別個の機会に敢行された2件の強盗殺人等であり,極めて悪質である。

 

その犯行動機はいずれも金品目当てで酌量すべき点は認められず,

被告人の人命軽視の態度は強い非難に値する。

 

いずれの犯行も,一人暮らしの被害者を狙い,下見をするなど,

(1)の犯行の殺害の点を除くと,計画性が認められる上,

その殺害態様は,執ようで,残虐かつ冷酷なものである。

 

何ら落ち度のない2名の被害者の生命を奪ったという結果は

誠に重大であり,各被害者の遺族の処罰感情は厳しい。

 

加えて,被告人は,相当以前のものとはいえ,

放火や強盗致傷等を含む懲役前科4犯を有している。

 

そうすると,(1)の犯行において当初から被害者の殺害をも

計画していたとは認め難いこと,被告人は,

本件各犯行に及んだことについて被告人なりの反省の情を示し,

各遺族に謝罪の意を表すなどしたこと,高齢であることなど,

被告人のため酌むべき事情を十分考慮しても,

その刑事責任は極めて重大であり,原判決の死刑の科刑は,

当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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