建物の滅失登記処分等の取消しを求める訴えの利益の有無

(平成6年2月22日最高裁)

事件番号  平成2(行ツ)77

 

最高裁判所の見解

原審の確定した事実によれば、本件仮差押命令が発令された

昭和五九年三月六日の時点においては、

本件甲及び乙建物は、いずれも、

独立の不動産としての存在を失っていたものであり、

これを対象としてされた本件仮差押命令は効力を生ぜず、

その登記も仮差押登記としての効力を有するに

由ないものというべきであるから、

上告人は、本件仮差押登記を回復する

法律上の利益を欠くものといわざるを得ず、

したがって、本件抹消登記処分の取消しを求める訴えの利益を

有しないものと解するのが相当である。

 

また、本件表示登記処分の取消しを求める上告人の訴えも、

結局において本件仮差押登記を回復することに

その目的が存するものである以上、上告人は、

これを求める訴えの利益をも有しないものというべきである。

 

そうすると、本件各登記処分の取消しを求める訴えをいずれも

不適法とした原審の判断は、結論において是認することができる。

 

原判決に所論の違法はない。所論引用の判例は

本件に適切でなく、論旨は、違憲の主張を含め、

独自の見解に立って原判決の法令違背をいうか、

又は原審が本案についての上告人の主張を採用しないことの

不当をいうものにすぎず、採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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