建物の賃借人の失火により右建物が全焼してその敷地の使用借権を喪失した賃貸人が賃借人に請求することのできる損害

(平成6年10月11日最高裁)

事件番号  平成3(オ)825

 

最高裁判所の見解

地上の建物が朽廃、滅失するまでこれを所有するという

目的でされた土地の使用貸借の借主が契約の途中で

右土地を使用することができなくなった場合には、

特別の事情のない限り、右土地使用に係る経済的利益の喪失による

損害が発生するものというべきであり、

また、右経済的利益が通常は建物の本体のみの価格

(建物の再構築価格から経年による減価分を控除した価格)に

含まれるということはできない。

 

そうすると、上告人は、少なくとも、

焼失時の本件建物の本体の価格と本件土地使用に係る

経済的利益に相当する額との合計額を本件建物の焼失による損害として

被上告人に請求することができるものというべきである。

 

原審は、前者のみが損害であるとし、

後者の経済的利益の有無及びその額について

審理判断をしなかったのであり、

原判決には法令の解釈適用を誤った違法があるといわざるを得ず、

この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかである。

 

この趣旨をいう論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。

 

そこで、本件土地の使用借権喪失による損害発生の有無及び

その額について審理を尽くさせるため、

本件を原審に差し戻すこととする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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