患者の同一性確認について手術に関与する医療関係者が負う義務

(平成19年3月26日最高裁)

事件番号  平成15(あ)1033

 

この裁判では、

患者の同一性確認について手術に関与する

医療関係者が負う義務について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

医療行為において,対象となる患者の同一性を確認することは,

当該医療行為を正当化する大前提であり,

医療関係者の初歩的,基本的な注意義務であって,

病院全体が組織的なシステムを構築し,

医療を担当する医師や看護婦の間でも

役割分担を取り決め,周知徹底し,

患者の同一性確認を徹底することが望ましいところ,

これらの状況を欠いていた本件の事実関係を前提にすると,

手術に関与する医師,看護婦等の関係者は,

他の関係者が上記確認を行っていると信頼し,

自ら上記確認をする必要がないと判断することは許されず,

各人の職責や持ち場に応じ,重畳的に,

それぞれが責任を持って患者の同一性を確認する義務があり,

この確認は,遅くとも患者の身体への侵襲である

麻酔の導入前に行われなければならないものというべきであるし,また,

麻酔導入後であっても,患者の同一性について

疑念を生じさせる事情が生じたときは,

手術を中止し又は中断することが困難な段階に至っている場合でない限り,

手術の進行を止め,関係者それぞれが改めて

その同一性を確認する義務があるというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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